【2025年最新版】Cardano(ADA)のQ2における現状と今後

2025年に入り、仮想通貨市場は再び活況を見せています。その中で、長期的な開発力と安定したステーキング経済圏を築いてきたCardano(カルダノ)が改めて注目されています。
本記事では、ブロックチェーン分析企業Messariが公開した「State of Cardano Q2 2025」レポートをもとにしながら、Cardanoのネットワーク状況、開発動向、ステーキング経済、そして今後の展望を見ていきましょう。

Cardanoの基本的な解説を行なった記事もあるので、ぜひご覧ください。

目次

ADA価格とネットワーク経済の動向(2025年第2四半期)

ADA価格、時価総額、ネットワーク手数料(https://defillama.com/chain/cardano?chainTokenMcap=true&tvl=false&chainFees=true&chainTokenPrice=true

2025年第2四半期(Q2)におけるCardano(ADA)の市場パフォーマンスはやや軟調でした。
ADAの価格は前期比で14%下落し、0.57ドルに。時価総額も13%減の約207億ドルとなり、流通量のわずかな増加(+0.4%)にもかかわらず、時価総額ランキングが9位から10位へ後退しました。
この動きは、他のLayer-1チェーン(※ビットコイン除く)が平均16%上昇していたことを踏まえると、やや劣後する結果といえます。
ただし、ADAの基礎的な流通量やネットワーク維持活動は安定しており、短期的な価格変動が中長期の基盤を崩す兆候は見られません。

トランザクション手数料とネットワーク活動

2025年第2四半期(Q2)のCardanoネットワークでは、取引コストとアクティビティの両面で調整局面が見られました。
ADA価格の下落がネットワーク利用コストやオンチェーン活動に影響を与えています。

平均トランザクション手数料:ADA建てでは上昇、USD建てでは下落

Messariのデータによると、

  • 平均トランザクション手数料(USD換算)は12%減の0.25ドル
  • 平均トランザクション手数料(ADA建て)は9%増の0.38ADA

という結果になりました。

これは、ADAの価格変動がネットワーク利用コストに直接的な影響を及ぼすことを示しています。
ADA建てでは手数料が上昇している一方で、ドル換算では下落しており、価格下落による表面的なコスト低下が見られた形です。
この現象は、ADAをステークしてネットワーク運営に参加するユーザーや、dApp開発者にとって、実質的な手数料負担が価格に左右されることを示唆しています。

ステーキングの状況:数量は増加、ドル換算では減少

Cardanoのステーキングは、ネットワークの分散性とセキュリティを支える重要な仕組みです。
Q2のデータは以下の通りです。

  • 総ステーク量:+0.78%増の219億ADA(21.9B ADA)
  • ステーキング率(全流通量に対する割合):+0.4%増の60.1%
  • USD換算ステーク総額:-12.8%減の125億ドル($12.5B)

つまり、ADA建てではステーキング量が微増しているものの、価格下落によりドルベースでは減少しています。
これは投資家の信頼が崩れたというよりも、ネットワーク参加意欲が維持される中で、外部要因(価格変動)によって評価額が変動したと解釈するのが自然です。

💡 ポイント
Cardanoでは、流通中のADAのうち約60.1%がステーキングに参加しており、依然として高い分散性を維持しています。

ネットワークアクティビティ:アドレス数・取引数ともに減少

Q2では、オンチェーンアクティビティが全体的に減速しました。
具体的には:

  • 平均日次トランザクション数:-29%減の22,600件
  • デイリーアクティブアドレス(DAA):-36%減の31,200件
  • 1アドレスあたり平均トランザクション数:-8%減の1.4件

これらのデータは、ネットワークの利用が少数のアクティブユーザーに集中している傾向を示しています。
言い換えれば、Q2はCardanoエコシステムにおいて「ユーザー層の整理・集約」が進んだ時期ともいえるでしょう。

ただし、このような取引数の減少は、他のL1チェーンでも共通して観察されており、市場全体の停滞期に伴う一時的な要因として見ることができます。

🔍 初心者向け補足
トランザクション数やアクティブアドレスは、ブロックチェーンの「実際の利用度」を示す指標です。
一時的な減少は必ずしも悪い兆候ではなく、基盤技術やガバナンスが整備されている場合、次の開発フェーズへの移行期であることも多いです。

価格調整局面でも堅調なネットワーク基盤

指標QoQ変化Q2数値備考
ADA平均価格-14%$0.57市場全体の調整影響
平均手数料(USD)-12%$0.25価格下落による見かけの低下
平均手数料(ADA)+9%0.38 ADA実質コスト上昇
総ステーク量+0.78%21.9B ADA継続的に増加
ステーキング率+0.4%60.1%ネットワークの分散性維持
日次取引数-29%22,600件減少傾向
DAA-36%31,200件アクティビティ集中化

このように、2025年第2四半期のCardanoは、価格下落の影響を受けつつも、ネットワークの分散性とステーキング参加率の高さが堅調さを支える構図が見られます。
市場の一時的な冷え込みの中でも、Cardanoの基盤技術とコミュニティ主導の運営体制は安定しており、次期アップデート期への準備段階にあるといえるでしょう。

Cardanoのエコシステムとガバナンス動向

DeFi市場とDEXに注目してみましょう。下のグラフはTVLとDEXの取引量を示したものです。

TVL、DEXs Volume(https://defillama.com/chain/cardano?dexsVolume=true&tvl=true&currency=USD)

1. DeFi市場の推移:TVLは減少も構造的な安定維持

2025年第2四半期(Q2)におけるCardanoのDeFi市場は、ドル換算では下落局面にありました。
DeFiLlamaのデータによると、CardanoのDeFi総ロック額(TVL)は前期比20%減の約2.59億ドルとなり、
暗号資産市場全体での+28%成長とは対照的な動きでした。
また、DeFi多様性スコア(TVLの90%を占めるプロトコル数)は9から8へと減少し、資金が主要プロトコルに集約される「集中化の進行」も見られました。

2. DEX取引量の減少とユーザー行動の変化

平均日次DEX取引量は前期比38%減の約360万ドルに落ち込みました。
一方で、ステーブルコイン供給量は6%増加しており、短期トレードから「保有・安定運用」へとユーザー行動が移行している様子がうかがえます。

Stablecoins Mcap(https://defillama.com/chain/cardano?stablecoinsMcap=true&tvl=false)

この傾向は、リスクを抑えつつ利回りを確保したいステーキング・レンディング層の増加とも一致しており、
Cardanoユーザーが投機よりも長期的資産管理へシフトしていることを示唆しています。

3. 新興DEX・dAppの登場:多様化と高度化が進展

Cardano上では2025年Q2も新規プロジェクトが登場し、DeFi層の厚みが増しています。
以下は注目のdAppとDEX群です。

🔹 CSWAP

トークン・NFT・現実資産(RWA)を統合的に取引できる新興DEX。
2025年Q2末時点でTVLは150万ドル超と急成長。クロスアセット流動性により注目を集めています。

🔹 Strike Finance

Cardano初の永久先物(Perpetual Futures)DEXとして登場。
ADAやSNEKの15倍レバレッジ取引に対応し、eUTxO構造に最適化されたリスク管理機能を導入。
TVLは520万ドルを突破し、Cardanoのデリバティブ市場を切り開きました。

🔹 SundaeSwap

老舗AMM型DEX。Q2では「Cardano Blueprint」への技術貢献を実施し、開発者向けのドキュメント整備と教育的サポートを強化。
ガバナンストークン「SUNDAE」によるDAO化も継続中です。

🔹 Splash

2024年ローンチのDEXで、Solanaのpump.funに類似したsnek.funを開発。
トークン作成・取引が容易で、ローンチ初日だけで2,230トークン/450万ADAの取引量を記録。
ミームトークン文化と相性が良く、若年層ユーザーを中心に拡大中。

🔹 DexHunter

複数DEXを横断的に最適ルートを自動選択するDEXアグリゲーター
月間25万人超が利用し、Cardano全体のスワップ取引の中核を担っています。


このように、CardanoのDEX市場は取引量こそ減少したものの、質的多様化が進み、「取引の高度化」「dApp連携」「UX改善」といった側面で成熟段階に入っています。

4. ガバナンス:Net Change Limit(NCL)と分散化の深化

Q2では、Cardanoの財務ガバナンスに関する議論が大きく進展しました。
特に注目されたのが、「Net Change Limit(NCL)」と呼ばれるトレジャリー引き出し上限に関する見直しです。

  • Cardano FoundationのCTO、ジョルジョ・ジネッティ氏が発表した分析では、トレジャリーからの過剰な資金引き出しはADA価格に悪影響を与えると指摘。
  • そのため、年間ADA流入量(約3.15億ADA=15%)に合わせてNCLを設定すべきと提言。
  • コミュニティ投票を経て、2025年のNCLは3.5億ADAに決定しました。これは、国家のソブリン・ウェルス・ファンドの財政原則に倣った健全な方針です。

同時期には、Cardano憲法委員会(Constitutional Committee)の選挙も行われ、Cardanoガバナンスの新フェーズ「Voltaire」期に向けた基盤が整備されつつあります。
これにより、IOGやEMURGOなど初期運営組織の関与を減らし、コミュニティ主導の意思決定構造が強化されます。

まとめ:価格よりも「構造の強さ」が際立つQ2 2025

2025年第2四半期のCardanoは、市場価格の調整局面にもかかわらず、ネットワークの内側では次の3つの明確な強化が見られました。

  1. DeFiの構造的安定化 — DEX多様化とTVL集中による効率化
  2. ガバナンスの自律化 — NCL調整と委員会選挙による透明性の確保
  3. ユーザー層の成熟 — ステーブルコイン保持やステーキング志向の高まり

これらの動きは、Cardanoが単なる「スマートコントラクトプラットフォーム」から、自律分散型の金融・社会インフラへと進化していることを象徴しています。

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