Avalanche Q2 2025レポート:ユーザー急増と大型提携で加速するエコシステム

目次

1. 概要

2025年第2四半期、Avalanche(アバランチ)エコシステムは力強い成長を見せました。
アクティブユーザー数は前期比210.4%増の約52万アドレスに達し、新たなL1チェーンやアプリケーションのローンチがオンチェーン活動を大きく押し上げています。特に、世界的スポーツ団体FIFAや人気ゲーム「メイプルストーリー」を手がけるNexpaceとの提携は注目度が高く、Avalancheが単なるL1ブロックチェーンに留まらない存在であることを示しました。

AvalancheはProof-of-Stake(PoS)型のスマートコントラクトプラットフォームで、独自の「Avalancheコンセンサス」によって高速かつスケーラブルなトランザクション処理を実現します。2020年のメインネットローンチ以来、Pチェーン、Xチェーン、Cチェーンという3つのチェーンを組み合わせたマルチチェーン構造を採用し、特定の用途に特化したカスタムL1ネットワークを構築できる点が特徴です。この構造が、高負荷アプリの分離やデータ主権の確保を可能にしています。

2. ネットワーク成長の全貌

Q2のAvalancheは、ネットワーク利用指標が大きく跳ね上がりました。

  • 平均デイリーアクティブアドレス:前期比+210.4%の519,954アドレス
  • 平均デイリートランザクション数:370万件 → 1,010万件(+169.9%)

この急成長の背景には、新しいL1チェーン(FIFA専用L1やHenesysなど)の立ち上げと、新アプリの稼働があります。特に5月には、MapleStory Nのローンチ準備によりアクティブユーザー数が急増しました。

3. DeFiエコシステムの動向

2025年第2四半期(Q2)において、アバランチのDeFiエコシステムは多様性を維持し、総ロックアップ価値(TVL)は前四半期比37.1%増加し、$11億から$15億に増加しました。一方、アバランチ上のステーブルコインの市場資本額は23.8%減少して$19億から$15億に低下しました。

TVL

https://defillama.com/chain/avalanche

主要プロトコル別では以下の動きが顕著です。

  • Aave:引き続き最大のTVLシェアを保持
  • Benqi:ステーキング需要の高まりでTVL上昇
  • Euler:Q2で大幅拡大、レンディング市場で存在感増

Stablecoin

https://defillama.com/stablecoins/Avalanche

グラフは青色がUSDC、緑色がUSDTです。

アバランチ C-チェーンのステーブルコイン時価総額は、2025年第2四半期(Q2’25)に前四半期比(QoQ)23.8%減少して$19億から$14億に下落しました。これにより、ステーブルコイン時価総額で9番目に大きなチェーンとしての地位を維持しました。USDCは四半期末時点でアバランチにおける主要なステーブルコインとして、総額の41.6%を占める$6億1,220万の供給量で首位を維持しましたが、四半期比で6.3%減少しました。USDTは34.7%のシェア($5億1,150万)で続き、$11億から51.9%減少しました。USDTのシェアは第1四半期の55.1%から減少しており、USDCへの支配力の移行を示しています。

4. サブネットとL1エコシステムの拡大

2025年第2四半期、Avalancheでは48のL1がブロックを生成しており、そのうち9つ以上が新たに立ち上がりました。特に注目されるのは、エンタメや実用分野への応用が加速している点です。

  • FIFA Blockchain:公式NFTやデジタルチケット、ファン向けゲームなど、スポーツ業界のデジタル資産管理を支える基盤として始動。
  • MapleStory Universe:人気オンラインRPG「メイプルストーリー」のブロックチェーン版。プレイヤーがアイテムや通貨を自由に取引できる経済圏を構築。ただし、現時点では日本からのプレイは非対応。規制が厳しいせいなのか。
  • Marnisa:物流業界向けに、コンテナの損傷や修理履歴をオンチェーンで管理する透明化ソリューションを展開。
  • Titan:K-POPファンのためのバーチャル体験プラットフォームを構築し、アーティストとファンの新しい関係性を提案。

これらの事例は、AvalancheのL1が単なる金融用途にとどまらず、スポーツ、エンタメ、物流など実社会の幅広い分野に浸透しつつあることを示しています。

5. プロトコル&インフラアップデート

2025年4月8日に実施されたOctaneアップグレードは、Avalancheのユーザー体験を大きく改善しました。ACP-176の導入により、ガス料金がリアルタイムで動的に調整されるようになり、手数料の予測可能性と低減を両立。実際、C-Chainの平均ガス手数料は約42.7%減少しました。

また、バリデーター数は1,401から1,436へ(+2.5%)、ステーキング総額は2億1,190万AVAXから2億2,140万AVAXへ(+4.5%)増加。ステーキング可能供給率も46.5%から47.9%へ上昇し、ネットワークのセキュリティと分散性がさらに向上しています。

6. 市場パフォーマンスとトークン動向

https://defillama.com/chain/avalanche?chainTokenPrice=true&tvl=false&chainTokenMcap=true&chainRevenue=false&chainFees=true

Q2のAVAX価格は18.77ドルから17.99ドルへとわずかに下落(−4.2%)。時価総額は78億ドルから76億ドルへ減少し、時価総額ランキングは15位から16位へ後退しました。

一方で、トランザクション手数料(AVAXベース)は+28.9%、USD換算でも+3.1%の増加となり、ネットワーク利用は着実に拡大。インフレ率は年率3.8%前後で安定しています。

7. まとめ

2025年第2四半期、AvalancheはC-ChainおよびL1ネットワーク全体で取引量とアクティブユーザー数が大きく拡大しました。特に、MapleStory N や FIFA Blockchain などの注目度の高いプロジェクトのローンチが、オンチェーン活動の活性化に大きく寄与しました。

また、現実世界の資産(RWA)トークン化や企業向けソリューション分野でも存在感を強め、VanEckによるNoncoへの投資など、エンタープライズ領域での展開も加速。OctaneアップグレードやUSDCガス支払い機能など、インフラ面の改善も着実に進み、利用者の利便性とネットワークの拡張性が向上しました。

Avalancheは明らかに強い成長を示し、ゲーム、企業利用、インフラ開発の三本柱での拡張性と実行力を改めて証明した四半期となったと考えます。

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