概要
Aptos(アプトス)は、かつてMeta(旧Facebook)が主導していたブロックチェーンプロジェクト「Diem(旧Libra)」の開発チームが中心となって立ち上げた次世代型レイヤー1ブロックチェーンです。2022年10月にメインネットをローンチし、「Move」と呼ばれる独自のプログラミング言語と、高速かつ安全性の高いコンセンサスメカニズムを武器に注目を集めています。そう、SuiもMove言語でしたね。
Aptosの目的は、従来のブロックチェーンが直面してきた「スケーラビリティの限界」「セキュリティ上の脆弱性」「ユーザー体験の複雑さ」といった課題を克服し、数十億人規模のグローバルユーザーに対応可能なWeb3基盤を提供することです。
2024年には、分散型注文板(CLOB)やクロスチェーン対応、AIウォレットなどを含む「Aptos Ascend」構想を発表し、金融機関との連携や日本市場への参入も進めるなど、実用性を重視した戦略が加速しています。 Aptosは「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」においてハッシュポートが提供する「EXPO2025デジタルウォレット」の事業連携サービスの基盤となっています。
特徴
AptosBFT:高速かつ安全なBFTコンセンサス
AptosBFTは、Aptosブロックチェーンが採用するコンセンサスアルゴリズムで、Byzantine Fault Tolerance(ビザンチン障害耐性、以下BFT)をベースにした仕組みです。
ここで、BFTについて少し触れておきます。
BFTはブロックチェーンをはじめとする分散型システムで、一部の参加者が故障したり悪意を持ったりしても、正しい合意(コンセンサス)に到達する仕組みのことです。ブロックチェーンでは、ネットワークのノード(コンピュータ)が協力して取引(トランザクション)を記録しますが、信頼できない環境(例:ハッキングやエラー)でも正しく動作するよう設計されています。
AptosBFTはBFTの改良版で、ネットワークの信頼性とセキュリティを確保しつつ、最大160,000 TPSの高スループット(イーサリアムは15〜30 TPS)と低遅延を実現しています。
✅ Aptosは最大160,000 TPSを処理
✅ 最大1/3のノードが故障または悪意を持っても、ネットワークは正しく動作する障害耐性を持つ
Move:安全性と柔軟性を備えたスマートコントラクト言語
Aptosでは、「Move(ムーブ)」という独自のスマートコントラクト言語が使われています。MoveはMeta(旧Facebook)のDiemプロジェクトで開発された言語で、リソース中心の設計と明示的な所有権管理が特徴です。
これにより、資産の二重使用(Double Spending)や脆弱性のリスクを大幅に軽減できます。MoveはSolidityとは異なり、型安全性が高く、セキュリティに特化した設計がされており、DeFiやゲームなどの複雑なアプリに適しています。
✅ 高セキュリティなスマートコントラクト
✅ 所有権・資産管理が明示的
✅ DeFiやゲームへの応用に強み
⚠️ ただし、新しい言語のため開発者リソースが限定的で、学習コストも高めです。私はちんぷんかんぷんでした笑
Data
それではここから、APTが信頼性と成長性を持ち合わせており、割安で買えるのかをオンチェーンデータを観察してみましょう!
Aptosは2022年のメインネットローンチから3年目を迎えようとしています。
オンチェーンデータは以下のサイトを参考にしています。
価格チャート
まずはAPTの価格を確認しましょう。割安だったらいいな〜

2025.6.6の価格は$4.62
ATHが$20と比較すると割安な価格なのではないでしょうか。
$4.62は割安
続いて、保有したとして信頼性、成長性があるかどうかをオンチェーンデータから見ていきましょう。
TVL(Total Value Locked)
まずはTVLです。
TVLはユーザーがステーキング、流動性提供、レンディングなどのために預けたトークンの価値がTVLとして計算されます。TVLが高いほど、そのプロトコルが多くの資金を引きつけ、利用されていることを示します。簡単に言うと、TVLはプロジェクトの規模や信頼性を測る指標の一つです。

2022年10月18日のメインネットローンチから2024年を迎える頃まで$45mぐらいでした。そこから徐々に増え、2024年9月17日から急増。一旦落ち込んだものの、現在は$1bあります。
最初の2年間はいったい何だったのでしょうか。また、急増した原因も気になります。
満をじしてメインネットがローンチされましたが、その日のトランザクション全くなかったとのこと。150,000tps以上を処理できるぜ!と意気込んでいたそうですが、全然使われなかったということですね。本当かよとDuneで調べてみましたが、本当でした。下の表を見るとジェネシスの生成は10月12日だということもわかります。

それからわずか1か月後、取引所のFTXが破綻し、仮想通貨界隈は冷え込むことになります。
また、次の図に示すトークノミクスの設計により、2023年11月までは投資家とコア貢献者のトークンがロックされていたためTVLの成長が抑えられていた可能性があります。TVLの推移と比較すると、ロックアップの解除と共にTVLの成長が見られます。

続いて、2024年9月17日以降の急増は、DeFiエコシステムの活性化(Aptos Connectや主要プロトコルの成長)、ステーブルコインの統合、ユーザー基盤の拡大、機関投資家の参入(BlackRock、Franklin Templeton、Bitwiseなど)、市場全体の回復が重なった結果と考えられます。9月17日当日にはsBTC統合の発表があり、同時期にPyth Networkのオラクル活動も強化されたことが、TVL急増のトリガーとなった可能性があります。
AptosのTVLは成長しており、技術的・制度的信頼性が高いため、プロジェクトとして一定の安心感はありそう。
トランザクション量とアクティブアカウント
これらについては心配ないでしょうが、念の為確認しておきます。


トランザクションは500万件、アクティブアカウント数は100万件で推移しています。
Aptosを使った様々なプロジェクトが出てきていますし、今後はアクティブアカウント数が増えていってほしいなと思います。
Validators/Nodes
バリデーターとノードの数は少々心配なところがあります。
2025年6月7日時点でのバリデーターとフルノードの数を表に示しました。
Validators | Fullnodes | vs. Ethereum Validators | vs. Solana Validators |
---|---|---|---|
151 | 511 | 1,077,163 | 1,867 |
バリデーター数が少ないことは、ネットワークの分散化に影響を与えます。Aptosのバリデーター数はSolanaやEthereumに比べて大幅に少なく、ネットワークの制御が少数のバリデーターに集中するリスクがあります。たとえば、AptosBFTコンセンサスは最大1/3の悪意あるバリデーターに耐えられる(33%の投票力、NFTEvening)とされていますが、バリデーター数が少ないと、この耐障害性が実質的に弱まる可能性があります。
一方で、Aptosはバリデーターの地理的分散を重視しており(Aptos Labs, Medium)、少数のバリデーターでも地域的に偏らないよう設計されています。お!日本にもバリデーターがいますね!地理的に分散していると言ってもEU、アジアに多いような。
結局はノードを運用するにもコストがかかります。ネットワークの通信速度が速いところや維持費が安いところがいいですからね。

少なさは分散化やセキュリティに潜在的なリスクをもたらすが、現時点では致命的な問題ではないかも。
まとめ
Aptosは、MetaのDiemプロジェクトの遺産を活かし、独自言語「Move」や並列処理、高速なコンセンサスメカニズムによって、スケーラビリティとセキュリティを両立させた次世代型ブロックチェーンです。
とくに、2024年に発表された「Aptos Ascend」では、分散型金融に必要なCLOB(分散型注文板)やAI統合ウォレット、クロスチェーン対応など、より現実世界の需要に即した開発が進んでおり、既存のWeb3チェーンとは一線を画す存在として期待が高まっています。
また、CoinDesk Japanの報道でも明らかなように、野村系のLaser Digitalや日本のHashPortとの提携を通じて、日本市場への本格展開も進めており、グローバル×ローカルの両面からユースケースの拡大を狙う動きが特徴的です。
とはいえ、分散化やガバナンスの面ではまだ課題も残っており、今後どのようにコミュニティ主導の発展を実現できるかが、Aptosの信頼性と持続性を左右するポイントとなるでしょう。
最後に、APTをステーキングできるオススメCEXを紹介します。
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