Polkadotの最新動向 〜2025年第1四半期〜

目次

1. ネットワークの現状と成長指標

2025年第1四半期のPolkadotは、L1ネットワークとしての堅実な稼働を継続しており、オンチェーン活動においても着実な成長を示しました。特に注目されるのは、パラチェーン間通信(XCMP)の稼働状況や、トランザクション数の増加です。

Daily XCM Transfer
Daily Active Account & Newly Created Account

Polkadot全体のトランザクション数は前四半期比-36.9%でした。ただし、悪いことではありません。この減少の主な理由は、NeuroWebによる取引処理の効率化です。2025年第1四半期にDKG V8を導入したことで、NeuroWebは知識資産のバッチミントを可能にしました。(単一の取引で数百件をミントできるようになった)このアップグレードにより、ネットワーク活動が拡大し続ける中でも、オンチェーン取引の必要数が大幅に削減されたため、トランザクション数が減っていると考えられます。

また、ネットワーク全体の月間アクティブアドレス数(MAA)は610,000から529,900へと13.1%減少し、エコシステム全体としてのアクティビティには一時的な調整が見られました。これはdAppやスマートコントラクトをユーザーが直接展開できないPolkadotの構造とも関係しています。

2. パラチェーンの役割とアップデート

Polkadotの特徴的な設計要素であるパラチェーン(Parachains)は、2025年第1四半期もエコシステムの中心的役割を担っています。Polkadotは「Relay Chain + Parachains」という構造により、スケーラビリティと分散性を両立しており、それぞれのパラチェーンは独自のユースケースに特化したブロックチェーンとして機能します。

コアタイムとロールアップ対応の進展

2024年末に導入された「コアタイム(Coretime)」のもと、パラチェーンはリソース使用に対して時間単位で支払う仕組みに移行しました。Polkadot上での継続的な活動を支えるための経済的インセンティブが機能しています。
また、非同期ロールアップ対応の設計が進んでおり、パラチェーンはスマートコントラクトやdAppsを効率的に処理する拡張性を獲得しつつあります。

コアタイムとロールアップ対応の進展は将来的なマスアダプションに向けた重要なインフラ強化とも言えます。

エコシステムの多様性

Q1時点でPolkadotに接続されているパラチェーンはAstar、Moonbeam、HydraDX、Acalaといった主要チェーンに加え、新たなプロジェクトも登場しています。各パラチェーンが自身の特徴を活かしながら独自経済圏を形成しており、Polkadot全体としての機能的多様性は増しています。

3. コアタイム制度とオークションの進化

Polkadotネットワークにおいて、ブロックチェーン(パラチェーン)がメインネットに接続して機能するには、「スロット」と呼ばれる接続枠を確保する必要があります。これは、物理的な道路を借りてデータを運ぶようなイメージで、各パラチェーンはこのスロットを利用してネットワークとやり取りします。

スロットオークションとは?

従来のPolkadotでは、このスロットを獲得するためにスロットオークション制度が採用されてきました。これは、複数のパラチェーンプロジェクトがDOTトークンをロック(=ステーキング)して、限られたスロット枠を競り合うという仕組みです。

特に特徴的だったのが「クラウドローン」という仕組みです。これはプロジェクトがよりスロットを獲得しやすくなるよう、一般のDOT保有者が応援したいプロジェクトにトークンを貸し出す仕組みのことです。この仕組みによって、コミュニティの支持を集めたプロジェクトがネットワークに接続できるようになり、資金調達の新たな形として注目を集めました。

ただし、スロットの期間は最大96週間(約2年)と長期であり、柔軟性やコスト面の課題も指摘されていました。

Agile Coretime(アジャイル・コアタイム)とは?

こうした課題を解決するために導入されたのが、Agile Coretime(アジャイル・コアタイム)です。これは、より柔軟かつ効率的にスロットを利用できる新制度で、2024年後半から段階的に展開されました。

スロットオークションとの主な違いは次の表をご覧ください。

比較項目スロットオークションAgile Coretime
接続期間最大96週間月単位で購入可能
獲得方法オークション市場ベース(需要と供給)
資金源クラウドローンなど各プロジェクト自身の予算から
柔軟性低(固定期間)高(必要な分だけ購入)

Agile Coretimeでは、一般のユーザーから資金を募ることなく、プロジェクト自身の予算とニーズに応じてネットワークへの接続権を購入できます。そのため、これまで参加のハードルが高かった小規模なプロジェクトや、試験的な取り組みでも、Polkadotへの接続がしやすくなりました。

4. ガバナンスV2とコミュニティの動き

Polkadotでは2023年に「OpenGov(ガバナンスV2)」が導入され、ガバナンスの透明性と参加性が大きく進化しました。これにより、DOTステーカーは誰でもネットワークの方針決定に直接関与できるようになり、ガバナンスはより分権的かつ柔軟な形へと変化しています。

OpenGovとは何か?

OpenGovは、Polkadotにおける分散型ガバナンスの新しい枠組みであり、従来の評議会主導のモデルに代わって導入されました。この仕組みでは、DOT保有者自身が提案を提出し、投票し、実行までを担います。提案は「リファレンダ(投票)」という形式で扱われ、資金配分、ネットワークアップグレード、ルール変更など多岐にわたる内容が議論されます。

各提案はその影響の大きさに応じて「トラック」と呼ばれるカテゴリに分類され、トラックごとに異なる投票条件(必要な支持率、決定までの時間など)が設定されています。

コミュニティの関与と提案数の推移

2025年Q1には、Polkadotのリファレンダ数は前四半期比で22.2%減少(221件)しており、コミュニティの活動は一時的に落ち着きを見せた形です。
また、投票参加者数にも変化があり、委任投票者は7.1%、直接投票者は28.8%減少しました。この背景には、リファレンダが日常的に行われるようになったことで、投票がルーチン化し、関心が分散していることも影響していると考えられます。

とはいえ、Q1には注目すべき提案も多数登場しました。

  • リファレンダ1391では、Nova Walletの開発費用として1.04百万USDTをNovasama Technologiesへ補償。
  • リファレンダ1398では、eスポーツチームG2 Esportsとの提携を通じて、新規ユーザーの獲得を狙うマーケティング戦略に495,030 DOTの資金を要求。
  • リファレンダ1400では、PolkadotからEthereumへのブリッジ手数料を6.12 DOT → 1.49 DOTに大幅削減。
  • リファレンダ1427では、PolkadotネットワークのV1.4アップグレードを2025年2月26日に実施することが決定されました。

5. Polkadotはどこへ向かうのか?

これまでPolkadotは、「インターネット・オブ・ブロックチェーン」のビジョンのもと、複雑で野心的な技術構造を築いてきました。しかし、2025年現在のPolkadotは、拡張から成熟、そして最適化という新たなステージに入っています。

・ネットワークの構造を簡素化しつつ柔軟性を高めるAgile Coretime
・ガバナンスを開かれた民主的プロセスへと再定義するOpenGov
・コミュニティが開発・運営に関与する文化の醸成

これらの進化は、Polkadotを「革新的だが複雑なネットワーク」から、「実用性と持続性を両立したWeb3基盤」へと押し上げる可能性を秘めています。

2025年後半以降、パラチェーン上のDAppsやツールがどれだけユーザー価値を生み出せるか、また、OpenGovがどれだけ実効的な意思決定の場として機能するかが、今後の成否を左右する重要なポイントとなるでしょう。


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