2025年に入り注目度が高まっているのが「Kaia(カイア)」です。
「Kaia」は、これまで韓国発の「Klaytn(クレイトン)」という名前で知られていましたが、Cosmos系チェーンとの統合を経て、新たに生まれ変わったプロジェクトです。日本でもアニメIPとのゲーム展開や法規制への対応が進んでおり、実用性と信頼性の両方で注目を集めています。
この記事では、初心者にもわかりやすくKaiaの概要・特徴・利回りや最新動向を紹介し、「今後本当にオススメできる仮想通貨か?」をじっくり解説します。
概要
Kaia(カイア)はもともとKlaytn(クレイトン)という名前で運営されていた韓国発のレイヤー1ブロックチェーンです。開発の中心は、韓国のメッセンジャーアプリ「Kakao」の子会社が担っており、LINEとの連携も深いことから、日本との接点も強く持っています。
2024年には、ブロックチェーンの相互運用を可能にするCosmos(コスモス)の技術と統合。新たに「Kaia」として生まれ変わり、Ethereumの技術とCosmosの柔軟性を融合した、非常にユニークなブロックチェーンとなりました。
その結果、KaiaはEVM互換(Ethereum対応)× IBC(Cosmosの相互運用)という特徴を併せ持つ、世界でも珍しいプロジェクトとなっています。
特徴
CosmosとEthereumを融合したハイブリッドチェーン
Kaiaの最大の特徴は、「Ethereum」と「Cosmos」、2つの異なるブロックチェーン技術を併せ持っている点です。これにより、開発者はEthereumで使われているプログラミング言語を使いながら、Cosmos系のチェーンともつながるDapp(分散型アプリ)を作ることができます。
これはつまり、「Ethereumの便利さ」と「Cosmosの拡張性」の両方をユーザーと開発者が享受できるということです。
日本発のアニメやIPと連携したゲーム展開
Kaiaは、LINEのプラットフォーム上で動作する「Mini Dapp(軽量分散型アプリ)」の基盤技術としても活用されています。Mini Dappとは、ブロックチェーンを活用しつつ、スマホなどでもサクサク動作する小型の分散型アプリのことです。
その中には、「キャプテン翼 –RIVALS–」などの日本のアニメIPを活用したPlay-to-Earnゲームが含まれており、2025年初頭には以下のような驚異的な実績が報告されました。
- Mini Dapp数:42本以上
- 新規ウォレット作成数:約300万件/月
- Dapp内購入総額:約200万ドル相当
- 利用回数:累計3,500万回以上
日本人ユーザーにも親しみやすいコンテンツがそろっており、「仮想通貨ってよく分からないけど、ゲームなら興味がある」という層にもアプローチしています。
トークン経済(Token Economics)
KaiaのネイティブトークンであるKAIAは、ネットワーク上でのあらゆる操作に必要な燃料としての役割を担っています。
トークンは、スマートコントラクトの実行や送金時の手数料支払いに使用されるほか、ネットワークの維持に貢献するコンセンサスノード(CN)への報酬としても機能します。
トークノミクスに関して、公式ドキュメントを参考に見ていきましょう。
ブロック報酬の配分構造
Kaiaは、単にバリデーター報酬を配るだけではなく、ネットワーク全体の長期的な発展と透明な資金循環を前提としたトークンエコノミーを構築しています。ブロックごとに発行されるKAIAトークンは、以下の比率で3つの柱に配分されます。
- 1. バリデーターとステーキング報酬(全体の50%)
-
- ブロック提案者:10%
- ステーキング報酬:40%
- 2. Kaiaエコシステムファンド(KEF:25%)
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- DApp開発者・ユーザーへの還元(SCR)
- ハッカソンや教育プログラムなどの育成
- DAO連携やインフラ支援、マーケティング
- 間接投資(VCを通じた支援)と利益の一部焼却など
※ 活動内容と予算はKaia Square上で公開され、ガバナンス評議会(Governance Council)によって審査・承認されます。
- 3. Kaiaインフラファンド(KIF:25%)
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- メインネット・R&Dや基盤整備
- 財団運営費(開発・法務・マーケなど)
- 小規模プロジェクト支援、流動性供給
こちらも予算案の事前告知と実行報告が義務付けられており、透明性の高い資金運用が徹底されています。
ステーキングとガバナンスの仕組み
500万KAIA以上をステーキングしたユーザーは、ガバナンス評議会(Governance Council)の一員となり、ブロック提案や承認に参加できます。報酬の分配は以下の通りです。
- 提案者報酬 → ガバナンス評議会全体で均等分配
- ステーキング報酬 → 500万KAIA超過分に比例配分
また、不正行為へのペナルティ制度が整備されており、誠実な運用が保証されています。
財務調整機能(Treasury Rebalance)
エコシステムの成長や市場変化に応じて、資金配分を柔軟に見直せるTreasury Rebalanceという仕組みも導入されています。これはスマートコントラクトによって運用され、すべての記録はブロックチェーンに残され、透明性と検証可能性が担保されています。
このように、KAIAのトークン経済はただの「手数料用トークン」にとどまらず、報酬・運営・開発支援・財務管理といった多くの役割を担う設計です。持続可能性と信頼性を両立した構造は、長期的なプロジェクト成長において非常に重要なポイントと言えるでしょう。
データから見るKaiaの現状
まだ誕生して間もないKaiaですが、日本人にとって馴染みのあるLINEのweb3ということで注目度は高いです。そんなKaiaのデータを見てきいましょう!割安なのか!?
オンチェーンデータは次のサイトを参考にしています。
価格チャート

いきなりATHを記録しています。その時の価格は$0.3190ドル。現在の価格はATHの半値付近に位置しています。これは割安ではなさそうです。
ところで、6/9に価格の急上昇が見られます。これはなぜ起こったのでしょうか。
実はこの日がKaiaチェーン本格稼働の日だったようです。LINEとKakaoのユーザーが2億5千万人とされているので、web2ユーザーがweb3へと流れる可能性が高くなるでしょう。
TVL(Total Value Locked)
2024年12月には1億2,000万ドルに達する勢いでした。しかし、2025年に入ってからは減少していき、初期と同様の3,000万ドルまで落ち込んでしまっています。
KAIA価格チャートでもはっきり見えている2025年6月9日の急上昇はTVLにも見られており、1.4倍の上昇がありました。Kaiaチェーンの本格稼働が押し上げているのでしょう。アクティブアドレス数やトランザクション数も観察し、どれぐらい使われているのか見ていきたいと思います。
アクティブアドレス数
2025年4月に1,200万人のアクティブユーザーがいましたが、今では6分の1まで低下、200万人ぐらいです。LINEとKakaoのユーザーが2億5,000万人なので、まだまだ伸び代はあるように思えます。
私にとってLINEは無くてはならない連絡手段ではありますが、web3として何か使うかと言えば、う〜んって感じです。というか、どこを探せばDappsがあるのかさえもわかっていないです笑
こういうところが、web3に興味関心がある人しか流入してきていないのかも。今後に期待です。
トランザクション数
2025年3月後半には1日に500万件のトランザクションが発生していました。しかし、そこから綺麗に減少していき、100万件を下回るまでに。最近はおよそ80万件ほどで推移しています。
Mini Dappの本格リリースや、アニメIPゲームなどが多数稼働し、多くのユーザーが活動するようになったと推測できます。ちょうど3月にはLINEミニDappのSlime Minerが320万人突破、累積ユーザー数が延べ約5,220万になるなど大躍進していました。
とすると、ミニDappの数は成長を図る指標として確認したいものです。
LINEミニDappが作る経済活動
LINEを使っている時に、友達とゲームを楽しんだり、ちょっとしたサービスを利用したりする。ならば、現在どれだけのアプリがあるのか、実際にどれぐらいの経済活動があるのかを見ていきましょう。
ここで、LINEミニDappに関する公式リンクを掲載しておきます。
Kaia waveローンチ後のデータ
Kaia Waveは、LINE NEXTとKaia財団によって提供されるビルダーサポートプログラムです。これは開発者向けの支援プログラムになります。2025年1月22日にスタートしてからの経過日数、Dappsの数、ユーザー数をKaia公式Duneで調べました。
2025年6月26日時点のものになります。
- 経過日数:154日
- Mini Dapps数:83
- ユーザー数:113,629,267
5ヶ月ほどで1億人のユーザー数がいるということになります。アクティブアドレス数と乖離があるのが気になります。アクティブアドレスはブロックデータを参照しているので、別の集計方法なのかな。
とはいえ、すごい成長速度。
驚異的なGMV成長

GMV(Gross Merchandise Value)とは、プラットフォーム上で実際に取引された商品やサービスの総額のことです。簡単に言えば「そのプラットフォームでどれだけのお金が動いているか」を示す重要な指標です。
この図はKaiaのGMV(KAIA支払いのみ、法定通貨は除く)グラフになります。
- 開始時点:ほぼ0円
- 現在の累積GMV:約70億円相当
- わずか5ヶ月間での到達
この数字がどれほどかというと、これは中規模のeコマースサイトが年間で達成する売上規模を、Kaiaはたった数ヶ月で実現しているということです。
あ!よく見てみるとキャプテン翼のゲームが入ってますね!!ですが、一番のシェアをとっているのは「Slime Miner」というゲームです。先ほどのリンクから詳細が確認できるので、見てみてはいかがでしょうか。
KaiaのGMV分析から見えるのは、Web3の次の成長段階への移行です。今後数年間で、同様のアプローチを取るプロジェクトが増える可能性が高く、Kaiaはその先駆者としての地位を確立しつつあります。
2025年後半から2026年にかけて、Kaiaエコシステムがどのような進化を遂げるか、そして他のブロックチェーンプロジェクトにどのような影響を与えるかに注目していきましょう。
Kaiaを購入して運用する価値はあるのか
Kaiaは、LINEのユーザーベースを背景に、アジア圏でその存在感を急速に高めています。ブロックチェーンとしての処理能力や、実際に使いやすい設計思想を持ちながらも、今まさに「日常で使える経済インフラ」としての成熟段階に入りつつあると言えるでしょう。
特に、以下のポイントは、Kaiaが長期的に価値を持ちうることを示唆していると考えます。
LINE統合という唯一無二の優位性
LINEは2024年から、Kaiaベースのウォレットやミニアプリを公式にサポートし始めました。これにより、従来の暗号資産が直面してきた「難しそう」「怖い」といった心理的な壁を、KaiaはLINEの体験の延長線上で自然に乗り越えることに成功しつつあります。
つまり、新しいお金の使い方が、普通のLINEユーザーに自然に届く道筋が、Kaiaには初めから組み込まれているのです。
ミドルリスク・ハイポテンシャル
Kaiaはまだ発展途上であり、分散型金融(DeFi)などの実需がイーサリアムのように定着しているわけではありません。その意味で、投資としてのリスクはゼロではありません。しかし、LINE統合という強烈なアドバンテージと、70億円のGMVという実績を考慮すれば、将来的にアジアのデジタル経済インフラの中核となる可能性があると評価できます。
今後の展開として注目すべきは
Kaiaエコシステムへの新規資金流入(TVLの成長)
LINEによる追加機能(決済機能の拡充、企業向けサービスなど)のローンチ
Mini Dappsの質的向上(83個から数百個への拡大と、より実用的なサービスの登場)
他のメッセンジャーアプリとの連携(KakaoTalk以外への拡張)
これらが揃ったとき、Kaiaは単なる「LINEの暗号資産」から、「アジアのデジタル経済の新しい入口」へと進化するかもしれません。
実際にMini Dappsを使ってみて、その使いやすさと可能性を体験してみることをお勧めします!
最後に、ADAを購入してステーキングできるオススメCEXを紹介します。
オススメCEX | APR |
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