バリデーター数とは?ネットワークの分散性を測る基礎指標を解説!

ブロックチェーンの健全性や分散性を評価するうえで、「バリデーター数(Validator Count)」は見逃せないオンチェーン指標のひとつです。ネットワークにおける取引の検証・承認を担うバリデーターの数が多ければ多いほど、そのネットワークは特定の主体に依存せず、より自律的かつ信頼性の高い運営がなされていると考えられます。この記事では、バリデーターの役割とバリデーター数の意義について初心者にもわかりやすく解説し、EthereumやSolanaなどの主要チェーンの事例を交えながら、数値の見方や注意点を整理していきます。

目次

1. バリデーターとは?

バリデーターとは、ブロックチェーンにおいてトランザクション(取引)を検証し、ブロックに記録する役割を担うノード(サーバー)のことです。Proof of Stake(PoS)をはじめとする多くのコンセンサスメカニズムにおいて、バリデーターはネットワークの安全性と正当性を担保する中心的な存在です。

バリデーターになるためには、基本的にそのチェーンのネイティブトークンを一定量ステーキングする必要があり、その条件や技術的な要求(ノード運用に必要なマシン性能や常時接続など)はチェーンによって異なります。

下の表にEthereumとAvalancheにおける「バリデーターになるための具体的な参加条件」を整理してみました。

ブロックチェーンステーキング要件技術的要件
Ethereum32ETH常時稼働のノード
インターネット接続
低スペックでも可能(とはいえ、メモリは32GB、2TBのストレージは必要っぽい)
Avalanche2,000AVAX安定した接続
ノード構築スキル

このように、ステーキング量やハードウェア条件、ネットワークの委任方式の有無によって、「誰でも参加できる」かどうかの現実的なハードルは大きく変わります。

なぜバリデーター数が重要なのか?

バリデーター数は、単なる「ノードの数」を超えて、次のような観点でネットワークの健全性・分散性を測るヒントになります。

分散性の可視化

バリデーターが多数存在するネットワークでは、トランザクションの検証権限が幅広い主体に分散されており、一部の大口参加者がネットワークを支配しにくくなります

逆に、バリデーター数が極端に少ないチェーンでは、わずかなノードに検証権限が集中し、セキュリティや検閲耐性の観点から不安が残る場合があります

開かれたネットワークかどうかの指標

バリデーター数が多いチェーンは、一般ユーザーにも運営に参加する機会を提供している可能性が高く、「誰でも参加できる分散型ネットワーク」という理念に近づいているといえます。

参加条件が厳しく、ハードウェア要件が高かったり、初期ステーク額が多額だったりすると、参加者は限られ、結果的に分散性が損なわれる構造になります。

3. チェーン別のバリデーター数比較

以下は、2025年6月時点での主要チェーンにおけるバリデーター数の比較です(2025.06.21時点)。

チェーン名バリデーター数
Ethereum1,075,173
Avalanche1,367
Sui114

見比べてみると、チェーンによって全然違うことがわかります。しかし、単純に「数が多ければ良い」「数が少ないから中央集権的」と結論づけるのは早計です。

たとえばEthereumはバリデーター数が圧倒的に多い一方で、実際に32 ETHをステークしてバリデーターを運用するのはハードルが高く、多くの個人ユーザーはリキッドステーキングやステーキングプールを通じて間接的に参加しています。
Avalancheは自己ステーキングが必要で、委任を受けられない構造のため、経済力と技術力を備えた一部の主体がバリデーターを担っています。
Suiはバリデーター数が100台程度と少数ですが、委任制度が整っており、運用の効率や安定性を重視した設計である可能性があります。

このように、バリデーター数の違いは単なる規模の違いではなく、参加のしやすさや分散の仕組み、報酬インセンティブ設計、チェーンの目的に応じたアーキテクチャに起因しています。

したがって、重要なのは「バリデーター数の大小そのもの」ではなく、「その構造が分散性や健全性にどう影響しているか」を読み解く視点です。

4. Crypto Stake Naviの視点:数ではなく構造を見る

バリデーター数は多ければ多いほど分散されているように見えますが、「構造」「偏り」も重要な視点です。
たとえば、Ethereumのように数十万近いバリデーターが存在していても、委任先の上位プールにステークが集中している場合、実質的な影響力はごく一部に偏っている可能性があります。

逆に、バリデーター数が少なくても、ステークが分散されていて、多様な主体が公平に検証を担っているネットワークであれば、分散性は高いといえるでしょう。つまり、数だけでなく「どのような構造で分散されているか?」が評価の鍵です。

評価する際は、地理的分散や上位にステークが集中していないかなどを見るといいでしょう。ただし、そのブロックチェーンの理念を考慮することも忘れないでください。ホワイトペーパーなどを読むことになり大変ですが。。。

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