Cardano

2025年6月13日

概要

Cardanoは、2017年に登場したProof-of-Stake（PoS）型のLayer-1ブロックチェーンです。
セキュリティ、スケーラビリティ、機能性を兼ね備えた分散型アプリケーションの基盤を目指しており、学術的な研究に基づいて設計された第3世代のブロックチェーンプラットフォームとなります。
ビットコインやイーサリアムの課題を克服し、より持続可能でスケーラブルなネットワークを目指しています。

CardanoはIOHK（現Input Output）、Cardano Foundation、EMURGO、Intersectなど複数の団体によって支えられ、ネットワークの技術開発、運営支援、財務基盤を確立しています。現在はロードマップの最終段階である「Voltaire（ガバナンスフェーズ）」に入り、完全な分散型ガバナンスの実現に向けた準備が進められています。

また、独自のコンセンサスアルゴリズム「Ouroboros」や、eUTXOという拡張型のアカウントモデルにより、Cardanoは高い拡張性とトークンネイティブな設計を実現。2021年の「Alonzo」アップグレードによってスマートコントラクトにも対応し、DeFiやNFTといった分野にも本格的に参入しています。

Cardano公式サイト

特徴

Ouroboros：独自のコンセンサスアルゴリズム

Cardanoは「Ouroboros（ウロボロス）」と呼ばれる独自のPoS（Proof of Stake）コンセンサスを採用しています。これは世界初のピアレビューを経たPoSアルゴリズムであり、高い安全性とエネルギー効率を両立しています。

Ouroborosではブロック生成の権利がランダムに選ばれた「スロットリーダー」によって与えられ、これがエポック（5日間程度）ごとに変化します。これにより、中央集権化を防ぎつつ、ネットワーク全体のセキュリティとスケーラビリティが向上します。

PoSのため、ビットコインのような高い電力消費は不要であり、環境負荷を低く抑えることが可能です。

✅ 学術的に裏付けされたPoSコンセンサス
✅ エネルギー効率が高く、環境にやさしい
✅ ネットワークの分散性を保つ仕組み

Plutus：スマートコントラクト機能

Cardanoは、Plutus（プルータス）という独自のスマートコントラクト開発環境を提供しています。Plutusは関数型プログラミング言語「Haskell」に基づいており、フォーマルな検証（formal verification）を行いやすい設計が特徴です。

これにより、バグや脆弱性のあるコントラクトが本番環境にデプロイされるリスクを低減できます。ただし、Solidityとは異なる開発環境のため、dApp開発者の習得ハードルがやや高いという側面もあります。

✅ 高信頼性のスマートコントラクト言語
✅ 金融分野など厳密な仕様が求められる用途に適する
⚠️ 学習コストが高く、開発者の獲得に課題も

学術志向とピアレビュー文化

Cardanoの設計思想は「科学的アプローチ」です。すべてのアップグレード提案は、まず論文として公開され、ピュアレビューを通じて検証されます。これは、他の多くのブロックチェーンプロジェクトにはない独特な特徴です。

このアプローチにより、理論的な正しさや安全性は確保されやすい一方で、開発スピードは遅くなる傾向があります。そのため、Cardanoは「遅れて登場したが、より安全で持続可能なチェーンを目指している」と評価されています。

✅ 信頼性重視の学術的アプローチ
✅ バグの少ない堅牢なプロトコル
⚠️ リリースまでの時間がかかる

トークノミクスとステーキング制度

Cardanoでは、ADAを保有していれば誰でも簡単にステーキングが可能です。委任（Delegation）という形でステークプールに参加することができ、報酬を得ることができます。ステーキングは流動性を失うことなく可能で、いつでも引き出せるのが特徴です（ロック期間なし）。
また、トークン供給は最大450億ADAに設定されており、インフレ率は緩やかに抑制されています。

データから見るCardanoの現状

2017年ローンチから8年も経っている息の長いプロジェクトです。きっとこれからも頑張ってくれるに違いないとは思いつつも、現状はどうなんだというところをオンチェーンデータを見ながら考えていければなと思います。

オンチェーンデータは以下のサイトを参考にしています。

価格チャート

さてさて、今は割安なのでしょうか。
ADAローンチ後、スパイクしましたが、長期に渡って価格は低迷していました。
2021年、価格はどんどん上昇していき8月30日にATHの$3.1を記録。（あ、親友の誕生日だ！）
しかし、そこからみるみる下落していき2022年12月には＄0.2代に。2024年12月に＄1.3まで回復しましたが現在は$0.68です。
ATHと比較すると割安だと思います。が、2023年以降から考えると価格は上昇しているので割高に見えます。

トランザクション数とアクティブアドレス数

現在のCardanoのトランザクション数は日次で約18万件と、2023〜2024年と比較してやや減少傾向にあります。しかし、これは一概にネガティブとは言えません。Cardanoの取引にはスクリプトベースの複雑な処理が含まれており、トランザクション1件あたりの実用価値が高いことが知られています。トランザクション数が単なる数値でなく、DeFiやNFTなどの「実用」に裏打ちされたものであるという点で、依然としてネットワークは堅調に機能していると見ることができます。

月間アクティブアドレス数は約20万件前後を推移しており、2023年以降と比較するとやや低下傾向が続いています。ただし、高頻度のスクリプトトランザクションが続いていることから、アクティブなユーザーが実需に基づく操作を続けている様子が読み取れます。これは、一時的なバズよりも「地に足のついた」エコシステムが続いているという解釈もできます。

TVL(Total Value Locked)

Tx数、AA数が伸び悩んでいるような気がしますがTVLはどうでしょうか。

2024年12月7日に過去最高の$715Mに到達後、50％ほど落ちてしまっています。しかし、スタートから比較すると緩やかに上昇しているように見えます。

このように、CardanoのTVLは派手な急伸こそないものの、着実に右肩上がりの成長を続けており、ネットワークに対する信頼や継続的な利用の広がりを反映しています。これは、短期的なブームに頼らず、基盤技術と制度設計の着実な進展が背景にあるからだと考えます。2025年Q1には、分散型ガバナンス体制の中核を担う組織「Intersect」が本格的に稼働し、Voltaireフェーズに向けた統治構造の整備が始まりました。さらに、L2スケーリングソリューション「Hydra」の初期実装も進行し、開発者による実用的なPoC（概念実証）も始まっています。また、CIP（Cardano Improvement Proposals）の承認プロセスも制度化され、「CIP-68」や「CIP-95」などの技術的な改善が動いています。

このようにCardanoは、表面的なDAppの爆発的増加よりも、将来のWeb3社会に必要なスケーラビリティとガバナンスを見据えた「地ならし」の段階にあり、これが堅実なTVL成長にもつながっているのでしょう。

ADAを保有・運用する価値があるのか？

Cardano（ADA）は、派手な話題性よりも着実な成長を重視するブロックチェーンです。オンチェーンのトランザクション数は2025年にかけてやや減少傾向にありますが、それでも高い水準を維持し続けており、特にスマートコントラクトやトークンの取引といった”意味のある取引”が目立ちます。

2025年現在、Cardanoは「Voltaire」と呼ばれるロードマップの最終段階に入っており、Intersectの設立をはじめとしたオンチェーンガバナンスの制度設計が進行中です。これは、ネットワークの意思決定をより分散的で持続可能な形に進化させるための取り組みであり、公共インフラとしてのCardanoの将来性を支える基盤となります。
加えて、L2スケーリング技術「Hydra」や「Mithril」も開発が進み、日常的なアプリケーションに耐えうる処理性能を視野に入れた取り組みも着実に前進しています。スマートコントラクト言語の多様化、Catalystによる開発者支援の拡大など、技術者やユーザーの裾野を広げる戦略も進行中です。

これらの状況を踏まえると、ADAは単なる価格変動を狙った投機対象ではなく、分散型ネットワークの将来にコミットする「実用型の資産」としての性格が強まりつつあります。長期的な視点で見れば、CardanoとADAは、Web3の持続可能な未来を築く一翼を担う存在になるのかもしれません。

最後に、ADAを購入してステーキングできるオススメCEXを紹介します。