第1回:CEXとステーキングの裏側

「国内CEXでステーキングしたはずなのに、実際の運用は別の企業が行っている?」

仮想通貨のステーキングは、CEXを通じて簡単に始められる一方、実際にブロックチェーンの検証作業を担っているのはバリデーター企業です。
あなたの大切な資産を預かり、報酬を生み出す裏側では、どのような企業が動いているのでしょうか?

このシリーズでは、世界中の主要なステーキング企業を調査・分析し、その特徴・強み・リスクを初心者にも分かりやすく解説していきます。

目次

CEXとステーキングの裏側

暗号資産を長期保有するなら、ただウォレットに眠らせておくのはもったいない――そう考えて「ステーキング」という運用を始める方が増えています。特に国内では、BITPOINTやSBI VCトレードなどのCEX(中央集権型取引所)を通じて、簡単にステーキングができるようになりました。

本メディア「Crypto Stake Navi」は、ステーキングを通じて暗号資産の本来の価値を引き出すことをテーマに発信しています。価格の上下だけに一喜一憂せず、持続可能で健全な資産形成を目指すなら、ステーキングは欠かせない手段の一つです。

しかし、実はこのステーキング、取引所が直接ブロックチェーンを運用しているわけではないことをご存じでしょうか?

本記事では、CEXでのステーキングの仕組み、その裏側に存在する運用者たち、そしてユーザーが知っておくべきリスクと選択肢について解説します。

ステーキングとは?簡単なおさらい

ステーキングとは、PoSProof of Stake)を採用するブロックチェーンで、自分の保有するトークンをネットワークに預け、その代わりに報酬を得る仕組みです。この行為はネットワークの安全性を高めるという役割も持っています。

ただし、注意が必要です。

ステーキング報酬は利子や配当のように保証されたリターンではありません。

カナダ拠点の大手バリデーター企業Figmentは、公式ブログで次のように述べています。

ステーキング報酬はブロックチェーンプロトコルによって生成されるものであり、投資商品における利回り収益とは性質が異なります。報酬はそのプロトコルの設計・参加状況に依存し、保証されるものではありません。

つまり、ステーキングは投資商品ではなく、ネットワークの運営に協力する対価として報酬を得るという性格のものなのです。

CEXのステーキングは「委託」だった!

ユーザーがCEXを通じてステーキングを行うと、CEXがユーザーの代わりにトークンをバリデーターに委任します。つまり、実際にネットワークの運用を担っているのはバリデーター企業と呼ばれる専門業者なのです。

この構図は以下のようになります。

ユーザー
  └── 国内CEX(BITPOINT / SBI VC トレード など)
         └── バリデーター企業(Kiln / Blockdaemon / Figment など)

CEXはあくまで「窓口」であり、ステーキングの報酬の一部を手数料として差し引いたうえで、ユーザーに分配しています。
とはいえ、中には自社で運営しているCEXもあります。

なぜCEXは自社でバリデーター運営しないのか?

答えは「コストとリスク」です。

バリデーターを運営するには、常時稼働のインフラ、セキュリティ体制、ネットワークの理解など高度な専門知識が求められます。また、ネットワークによってはスラッシング(罰則)が課せられるリスクもあり、企業が直接手を出すには負担が大きいのです。

そのため、信頼できる外部のバリデーター企業と提携し、その委託先を活用しているというのが実情です。

一部CEXは自社でバリデーター運用している

ただし、すべてのCEXが外部に委託しているわけではありません。例えばBybitは、自社でバリデーターを運用している数少ないCEXの一つです。Solanaネットワークでは、Bybitが独自のバリデーターとして確認されており、「On-Chain Earn」というサービスを通じてユーザーにステーキングの機会を提供しています。

このように、自社でインフラを持ち運用しているCEXも存在するため、「誰が自分の暗号資産を実際に運用しているのか?」を知ることは非常に重要です。

誰に預けているのかを知ることの重要性

ユーザーがCEXでステーキングしているつもりでも、実際にはKilnやBlockdaemonといった海外企業に暗号資産を委任していることが多いです。とりわけ、日本国内CEXはほとんどが委任しているそうです。IRなどにも書いてないので、証拠はありませんが。

これ自体は違法でも悪質でもありませんが、私が気にしてほしいこと、それは手数料です!!

外部にステーキングを委任している国内CEXは当然、委任先に手数料を支払っています。それはあなたの運用益から捻出されています。唯一、BITPOINTは手数料を負担している。ステキ❤️
各社HPをしっかり読み、比較し、どれだけ手数料がとらるかは必ず確認しましょう。

次回予告:Kilnとは何者か?

次回は、多くのCEXと提携する欧州のステーキング企業「Kiln」について掘り下げていきます。業界における位置づけ、ビジネスモデル、どのような運用体制を整えているのか──ステーキングの裏側をさらに明らかにしていきましょう。

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